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2006年8月19日 (土曜日)

剣道時代の思ひ出

 最近、Yahoo!動画でアニメ「るろうに剣心」が配信されているが、このアニメで思い出されるのは剣道時代の仲間(同級生)のTである。僕の周りの仲間は「るろ剣」が好きな人が多かった。よく、ふざけて「るろ剣」の技を竹刀や木刀で繰り出す真似をして戯れた。だがその中でも、Tは別格だった。

 自分の世界に入ってしまったTを止めることは、僕には不可能であった。止められるのは先生・先輩・同学年のリーダーK君くらいだった。

 ある時は学校の掃除時間に、またある時は部活の休憩時間に、またある時は帰り際に、ホウキや竹刀や木刀を片手に切り込んでくるのである(自分の口で「ドュフュッ」等の効果音も付ける)。勿論、接触時には手加減もするし、当てずに真似だけの時もある。しかし、しょっちゅう狙われるのは困った物で、毎度毎度、回避しようと逃げまどったものである。

 しかし、彼の執念はそんなことでは砕けない。どこまでも追いかけて、相手にヒットさせるまで、自分の興に満足するまで終わることはない。彼が誇らしげにポーズをとり技名を叫ぶとき、悪夢の逃亡劇の幕開けである。力尽きるまで走るのだ。建物の内外を問わず、彼から放たれた技は誘導ミサイルのように目標をつけまわす(要はTが刀を片手に追ってくるのである)。

 牙突(がとつ)、牙突零式(がとつぜろしき)辺りから始まり、興奮してくると、龍槌閃(りゅうついせん)、九頭龍閃(くずりゅうせん)、天翔龍閃(あまかけるりゅうのひらめき)など、最高度のレベルの技をいとも簡単に頻発する。アニメの中では、そんなことはあり得ない。Tよ、どこでそんな技を体得してきたのだ! 走り回りながらそんな技を繰り出すのはやめてくれ!建物が崩壊してしまう! お前に体力の限界はないのか!? 天翔龍閃(あまかけるりゅうのひらめき)を何度も何度も休みなく発動させるな! 奥義ってモンはしょっちゅう見せたら奥義じゃないだろ。それと、牙突(がとつ)はやめてくれ。そのポーズで追いかけ回されると、接触時にホントに怪我しそうだ。

 技と共に巻きあがる粉塵や移動音なども自ら擬音語で再現する(「ヒュン」「シュッ」「lドゥフッ」等はもはやお家芸である)。

 

 追記すると、彼は本気で二重の極み(ふたえのきわみ)や、三重の極み(さんじゅうのきわみ)を研究して身に付けようとしていた。よく胴を付けた腹部にこの技を掛けられた物である。

 

 何が彼をあれほどまでに駆り立てたのか、大人になった彼に聞いてみたい。

 

 なんだかんだあったが、Tは面白い奴だった。

  

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