NHK「日本のこれから」米軍基地編を見て
「日本のこれから」という番組は大好きでよく見るのですが、毎回色々なことを考えさせられます。今回は、米軍基地問題について答えのない熱い討論が行われていましたが、番組の中で、基地の騒音が如何に物凄いものかという実体験もしていました。あんなところに暮らしている人がいるのかと思うと、胸が痛みました。
米軍基地の大部分は沖縄にあります。沖縄では地域経済に米軍基地が取り込まれているというのもあるのか、基地賛成派もいますが、大部分は反対派と見ていいと思います。
沖縄県はかなり以前から、基地の縮小や移転を政府に訴えてきましたが、事態は一向に進展しませんでした。当然でしょう。基地の縮小はアメリカとの外交交渉によらねばならず、これまで合意は難しかったことでしょう。また、どの自治体も、新たに基地を受け入れるというのは承服しがたいというのは当たり前です。
僕は、沖縄が本気で基地を追い出したかったのであれば、政府ではなく国民全体に訴えるべきだったと思います。沖縄県は、人口的にも日本全体の1%程度であり、他の99%が住む自治体が受け入れを容認しがたい以上、「もう少し我慢してくれ」ということになるのは見えていたはずです。ならば、なぜ世論の力を味方につけようとしなかったのでしょう。マスコミは、どれほどの爆音が基地周辺でしていて、住民の健康被害がどれほどのものかということもほとんど取り上げていませんでした。そうした中、沖縄県は政府には陳情に行くけれども、国民全体に対するムーブメントにかけていました。99%には手をつけず、1%の力のみで闘おうとしているのです。それよりも、新聞・雑誌に一面広告を出したり、テレビCMやインターネット広告などを利用して、「私たちはこれほど苦しんでいるのです」「米軍移転・縮小に向けて皆さんの力を貸してください」などと訴えたり、基地に関する問題の啓蒙キャンペーンを起こして、そこでは数知れない沖縄出身の有名人に協力してもらうとか。また基地にほとほとウンザリしているのなら、日米間の条約・規定に基づいて米軍が存在しているのだから「我々沖縄は日本から独立したい」と知事が言えばよかったと思います。本気でする気がなくとも、パフォーマンスとして発言するだけで、政府も真剣に受け止めるし、マスコミも連日取り上げるだろうし、何よりそれによって国民にこの事を考えさせる効果は大きいでしょう。重要なのはプロパガンダです。
つまり言いたいのは、もはや世論によってしか沖縄の基地問題は解決し得ないということです。世論が高揚すれば、日本政府も大車輪の働きをするかもしれないし、アメリカ政府も、基地問題をもっと真剣に考えてくれることになると思います。怖いのは、国民が無関心になってしまうことです。沖縄県内ですら、基地から離れたところに暮らす若い世代には無関心な人も多いとか。これでは、まるで意味がありません。県内から意識改革をする必要があるようです。
沖縄はいつまでも被害者意識を引きずっているだけでは駄目です。

| 固定リンク
コメント
http://blogs.yahoo.co.jp/blogger2005jp/37461986.html
これ見て味噌。真実を見なくちゃいかん。テレビにうつっているものが本物じゃない。
投稿: ひよこ | 2006年6月15日 (木曜日) 11時26分